通販業界はいままさに下克上の時代である。大手総合通販会社が苦戦しているなかであつても通販ビジネスに参入してくる企業が後を絶たない。訪問販売やシステム販売のような無店舗販売実施企業が新たな販売チャンネルとしたり、ハウジング会社や科学肥料メーカーのような全くの異業種からの参入も少なくない。もちろん食品製造や製薬会社といったメーカー直販も依然として盛んである。
平成13年度の通販市場は2兆4900億円までに成長してきた。わずか数年で売り上げ100億円を超す会社も出ている。ただし参入企業すべてが成功しているわけではない。多くの企業が事業からの撤退を余儀なくされたり、鳴かず飛ばずの状態にあるのも事実である。
私は過去9年間、通販コンサルとしてさまざまな会社を指導したり、事業に関与してきた。あるいは、講演会の後で、セミナーの席で、個別訪問時に、各社各様の相談を受けてきた。そこで気がついたのは、悩みや相談事に共通性があることだった。会社によって若干の差異はあるものの、私からみると五十歩百歩と言えることが多い。通販に対して勉強不足といえばそれまでであるが、身近に教えてくれる人がいないとか、だれに聞いていいか分からない企業側にとっては、深刻な悩みである。
昨年6月まで日本流通産業新聞で連載した「通販コンサルタント・地方旅日記」掲載中にも読者からさまざまなご意見や質問を頂き、私自身も勉強させてもらった。
そこで、これから数回にわたり「中小通販クリニック」というタイトルで、これまで多かった質問や悩みにお答えすることにした。
質間例の内容はランダムな紹介とするが、可能なかぎり、業務の流れに沿って整理することにしてみる。通販ビジネスに携わる読者の皆さんに参考にしてもらいたい。
(日本流通産業新聞2003年2月6日号)
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